2011年11月10日木曜日

「車座カフェトーク」終了しました。


















先日の10月29日にbook cafe 火星の庭さんで行われた車座カフェトークが
終了しました。


「支援の現場からーそれぞれのつながり方ー」というテーマで、ゲストの方々と
テーブルを囲み、ざっくばらんにお話しをしました。当日は快晴で、会場に差し
込む日差しがとても気持ち良く、和やかな空間となりました。その内容の一部
を写真も交えてレポートします。


「緊急支援」と「長期的支援」


ゲストの方々は、それぞれの方法で被災地での仕事づくりの支援をしています。
その活動の内容、それはいつ頃始まったのか、その経緯、どういった視点で
被災地へ関わろうとしているのかを中心に話しを伺い進めていきました。



< 小関あけ美さん  (雑貨・茶ろん もも 店主)>















震災後、 色々な支援をして頂きました。本当に嬉しく、状況が落ち着くにつれて
お返しをしたいなと考えるようになりました。家やお店、車など全てを流された状
況の中でアイデアを思いついたのが「福幸の芽」でした。同じような状況の複数
の友人に声を掛け、陶器、羊毛フェルト、デザイナー、プロデュースとそれぞれ
の特性を活かしながらできあがった福幸の芽はとても可愛く、お返しとしてお届
けした方々の反響がとても大きかったので、販売する事を決めました。有難い
事に半年以上経った現在でも注文を頂き、発送をしています。メンバーへは
「仕事」として依頼していて、その状況が今でも続いている事にとても意義を感じ
ています。


ーーー 始まりは「お返し」として、その後製品化し「継続的に販売」していると
いう事で、緊急的な支援を継続していく事で、視野を広げ活動を変容させなが
ら長期的な支援に結びついているのだなと感じました。


そして、枝元なほみさんを中心とした「にこまるプロジェクト」にも参加していま
す。石巻でにこまるクッキーを作る拠点として雑貨・茶ろん ももを使って頂い
ています。作業に足りない物は揃えていただいたり、とにかくお店が復活する
運びになった事はとても嬉しいです。

仕組みはとてもシンプルで、チームむかごさんからにこまるクッキーを作る為
の材料が届きます。その材料をレシピ通りに作ります。こねて、丸めての簡
単な作業なのでどなたでも参加する事ができ、集まったメンバーで楽しみな
がら作ります。出来あがったクッキーをパッケージングしてラベルを貼るまで
が作業となり、完成したクッキーは東京へ送り、そこから取り扱い店へ届けら
れ販売されます。そこで売り上げた利益の一部が製作をした私たちに支払
われるという形です。何度か作業をしてみて出てきた課題は、クッキーの出
来上がりがマチマチになってしまう時があると言う事。これは、固定メンバー
での品質強化+被災者支援としての仕事として継続していく事を目指します。


ーーー 会場で、楽しく作業している様子が小関さんから伝わってきました。
仕組みがしっかりとしているから安心して関われるのはもちろん、集う事で人
と触れ合い、話しを交わせる喜びも参加者にとってはとても嬉しい事であり、
また参加したくなる動機にもなるのでしょうね。


< 佐藤博子さん (まめまめ手仕事プロジェクト)>
















震災後、友達と何か出来る事は無いか?と被災地や仮設住宅に雑巾の材
料となるタオルを集めて届ける活動に参加していました。その中で、どうせ
作ってもらう材料を届けるのであれば刺子の材料など作って楽しいもの、達
成感のあるのものの材料を届けたい、という想いからまめまめ手仕事プロ
ジェクトがスタートしました。内容は、手仕事が好きな被災者の方に裁縫道具、
刺し子の材 料、図案が描かれたふきんをお渡しし、図案の上を同じ針目で
運針して商品 を製作して頂き、私たちがパッケージングをして販売をします。
その売り上げの 一部を、製作して下さった方へお渡ししています。被災地
にある仮設住宅の各 所へお届けし、渡すだけではなくワークショップなど
「場」を作る事で作業をする事に楽しさを感じていただいたり、集中する事
で皆さんの気持ちが落ち着けば という想いがあります。今後の課題として
は、これらは手作業ですので仕上がり がマチマチになってしまいます。その
部分どう統一していくのか、それと「こちらから提案して作業をして頂く」とい
う支援の他にも、「既にそのコミュニティで行われている、ものづくりの活動」
を更にしやすくなるような支援もあるのではないか?」という事も考えています。 
 
ーーー お話しを聞いていて、活動を進める中で出てくる問題のひとつひとつ
に 立ち止まり、主体を中心に考え、丁寧に呼応していくという姿勢を強く感じ
ました。 プロジェクトを始める上で、支援を”する側”と”される側”の想いや考
え方、捉え 方のギャップ等々、様々な問題があると思います。更に丁寧な配
慮が必要となるのだなと感じました。


< 遠藤優子さん(ルーテル教会救援) >
















私には繋がりの無い支援地で 、なおかつ「教会の方」というイメージから、現
地の方と馴染むまで時間がかかりました。様々な支援をボランティアの方々
と一緒に活動していますが、そんな中で津波被害にあった空いているグルー
プホームを利用して現地の方が集い、カフェをしているという話しを聞き足を
運んでみると、楽しく和やかな空間ではあるものの皆さん一様に、どういった
発信の仕方をすればいいのか、また発信してもいいものかと困惑している様
子でした。そこで既に活動をしているコミュニティへ参加しそこで作られたもの
をより良い方法で伝える為のお手伝いをするようになりました。石巻市・北上
町ではミサンガ作りをしているのですが、そのパッケージをデザイナーに頼ん
でデザインの中に地図を入れたりどうすればより沢山の方にミサンガをお届
け出来るか話し合いながら製作しています。 実際にサポートをしていく中で感
じた事は、こういったコミュニティの輪へ入れる方と入れない方がいるという事。
このような小さな隔たりをどう捉えて、この先を見据えた時にどういったサポー
トが出来るかを考えています。

ーーー 遠藤さんの言う「小さな隔たり」は様々な場面、状況で起こるのだろう
なと感じました。取り除く事ばかりに注力してしまう事もまた状況を硬直させて
しまう要因となるかもしれません。先を見据え、どういった方向が最適かを”継
続”して深く考えていきたいなと思いました。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

それぞれのお話しの後、参加者の皆さんも交えて話しを重ねていきました。
「楽しんで頂く為に」、「やりがいを感じて頂く為に」、「仕事に繋がる選択肢の
一つとして」など、被災された方々との関わり方や、関わる際の姿勢などの
話しが多かったと思います。それは、「相手」へ対しての気持ちの大きさでも
あるのかなと感じました。しかし、実際に現場で優先されるべきは「気持ちの
押し付け」ではありません。では、どうしたら良いのだろう?次回の車座カフェ
トークでも、引き続き深く考えていきたいなと思います。皆さまはどう感じまし
たか?


ちなみに、今回の車座カフェトークでは初めに「”被災地支援”や”ボランティア”
と聞いて何をイメージしますか? 」という質問をし、紙に書いて頂きました。「話
し相手」や「繋ぐこと」、「寄り添う」などが多かったのですが、特に印象的だった
のは「”~しなければならない”と問われている感じ」という言葉でした。「問われ
ている」は、もしかして「囚われている」ではないのだろうか?とも感じます。~し
なければならないわけではなく、「~したい気持ちで溢れている」でありたいなと
僕は個人的に思いました。

参加者の皆さま、そしてゲストの皆さま、大変有意義なひと時となりました。
本当に有難うございました!
 

さて、大変長く、そして更新が遅くなってしまいましてすいません。次回の車座
カフェトークは11/26(土)を予定しております。詳細が決まり次第、またこのブロ
グにてお知らせしますね。 

0 件のコメント:

コメントを投稿